昭和日本漢方の大御所   

2011年 09月 01日

 昭和日本漢方の大御所といえば大塚敬節矢数道明ではないだろうか。御二方とも多くの書籍がある。御二人とも医師だ。
 大塚敬節は古方派といわれ「傷寒論」を基本とする。「傷寒論」とは西暦200年(?)に中国の張仲景(ちょうちゅうけい)が書いたとされる医学書だ。張仲景は親戚の4分の3(?)を傷寒という病で亡くす。悲しんだ張仲景はその治療法を記すのである。この傷寒という病は今でいうインフルエンザだったと言われている。その内容は患者がこんな症状だったらこの薬、症状がこう変化したらこの薬といったように刻刻と変化していく病状に合わせて記述している。
 話はそれたが、大塚敬節はこの「傷寒論」の漢方薬のほかにも広く漢方薬を使い多くの患者を治療した。古方派といわれるのは考え方や師事した先生からだろうか。医学界に賞賛され東京の北里大学には東洋医学総合研究所なるものがあるがそこの初代所長だった。その名は亡くなられた今も伝え残る。
 矢数道明は後世派といわれ中国の金元時代(西暦900-1300?)の医学書を基本とする。金元時代は「傷寒論」より時代が進み医学は発展している。医学書も数多くある。しかしながら、発展していても人間の体の生理ははっきりわからず理論を作る。例えば、今、宇宙の事がよくわからないから“ダークマター“を仮定しているようなものだ。物事を陰陽にわけたり五行説といって5つにわけたりした。(病気の寒・熱や陰病・陽病、臓器は肝・心・脾・肺・腎、漢方薬の味は酸っぱい・苦い・甘い・辛い・塩っ辛いなど)まずは分類学ということか。。。この考えはドンピシャなことが多いが矛盾もある。しかし、当時では最新の医学だったのだ。
 矢数道明は医学界に賞賛され幅広い漢方薬を使い難治性の患者を数多く治療した。亡くなられた今もなおファンは多く漢方界を牽引した功績ははかり知れない。また、矢数氏は雪剤についても調べている。加賀藩に伝わる「紫雪(しせつ)」だ。紫雪についてはまた今度。

         かつては我が家で製造していた「紫雪」
[PR]

by kanpousinise | 2011-09-01 10:56

<< 加賀藩の秘薬「紫雪」 水毒(すいどく) >>