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奔豚(ほんとん)   

2012年 03月 05日

 奔豚(ほんとん)とは古代中国(後漢末期)の古典『金匱要略』に記載がある病名です。
 どんな病気かというと、驚くことで起こるという。その症状は下腹部より咽喉につきあげる発作があり、本人は死にそうだと訴える。症状は現れたりおさまったり。
 驚恐によって起こる症状で、腎が驚きによってそこなわれることにある。そこなわれた腎から驚いた豚が急いで喉元まで昇ってきて症状が現れるので奔豚病という。
 そういった方に用いるのが奔豚湯。甘草、川きゅう、当帰、黄ごん、芍薬、半夏、生姜、葛根、李根白皮から構成される。
 今で言うヒステリー球にあたるものだろうか。今ではわからない。
 同時期に書かれた医学書、傷寒論では発汗した後、へその下で動悸がする。咽頭につきあげる感覚に襲われる者は、茯苓桂枝甘草湯を使え。と指示がある。現代ではヒステリーや神経症と診断されトランキライザーが処方されるが漢方では上記の処方や苓桂甘棗湯(茯苓桂枝甘草大棗湯)を使う。
 人前に出ると緊張して喉が詰まって何も話せなくなる。そういった方へ苓桂甘棗湯はどうだろうか。すっきり話せるようになるだろう。
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by kanpousinise | 2012-03-05 23:09

簡単漢方   

2012年 01月 31日

安中散【和剤局方】

胃炎・胃下垂の方

冷え症でやせ型。胃下垂で胃酸が上ってくる。冷たく甘い飲食物を好み、日頃から調子が悪い方、急に悪くなった方、両方によい。生理痛で刺すような痛みがあるときにも効あり。


温清飲【万病回春】

アトピー性皮膚炎の方

皮膚が乾燥していて粉をふいたよう。痒みと慢性化した炎症がある。皮膚は浅黒く栄養がない。また、そのような方の生理不順、生理痛、不正出血など。

黄連解毒湯【外台秘要】

ジュクジュクと炎症の皮膚炎を目標に

皮膚炎は炎症、充血、紅斑があるもの。顔面部にのぼせがあり、不眠、イライラがみられる。勢いのある出血傾向があり、鼻血や頻発月経があることも。血の色は鮮紅色。
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by kanpousinise | 2012-01-31 23:22

腎のはたらき   

2011年 12月 11日

 昨日は腎気について少しふれましたので、本日は腎について少し書きます。
 『腎は精を蔵する』といいます。人体の生命活動を維持する基本的な栄養物質である精を貯蔵しています。この『精』は栄養として生命活動にも使われますが、淫液となり生殖活動に使われる部分もあります。
 生殖用の精は両親から受け継いだ腎気が、後天的な五臓の精気と結合して生成されたものです。生殖用の精の生成貯蔵、輸送はすべて腎が管理しています。したがって、もし腎に病変が生じると精液が漏れる、早漏、精液不足、性欲減退などの症状となって現れます。セックスの過剰によっても一時的に腎気不足が起こります。
 また両親から受け継いだ腎気は人の成長、発育を調整します。年齢によって腎気は変化していくものです。
女子は7の倍数で変化が訪れます。
 7歳で腎気の働きが活発化し、歯が生えかわり、髪も長くなる
 14歳で、天癸が充満し、任脈と衝脈の流通が増進し、月経が始まる
 21歳で体格は頂点に達し、28歳で筋骨は充実してひきしまり、毛髪は最も長く豊かになる
 35歳になると陽明経脈の機能は衰え、白髪が進行する
 49歳で任脈が空虚となり、月経が停止する
男子は8の倍数で変化が訪れます。
 8歳で腎気が充実します
 16歳で精気が充満して性交可能となり、子をつくる事ができる
 24歳になると筋骨は強壮となり、体格は頂点に達する
 32歳で筋骨は隆盛、肌肉は力にあふれ、体は最盛期となる
 40歳で腎気は衰え始め、脱毛が始まる(腎は髪を司ります)
 48歳になると顔面は憔悴する
 56歳で筋肉動作の自由が失われ、精気は欠乏し、腎は退化し、体の疲弊は極度に達する
 64歳で天癸も尽きる
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by kanpousinise | 2011-12-11 22:05

気の名称と作用   

2011年 12月 10日

 気には作用や分布している状態によって違いがあるので、名称が異なります。
 私たちは飲食物によって栄養を受けます。これは水穀の精微となり気を作る源となります。胸中に分散された気を宗気(大気)といいます。よく宗家などというように大本を指します。それと、私たちは呼吸によって空気を取り入れていますが、これが後天の気といいます。宗気は後天の気と合わさり真気(元気)となります。この真気は全ての気の源となります。
 体表部を流れる気は衛気といいます。衛気は皮膚や筋肉の間を巡り、五臓六腑の隔膜を霧のように潤してからだを防衛して保護します。衛気は外邪が体表部から侵入してくるのを防ぎます。体内にあるものを営気といいます。血管中を流れるもので血とは切っても切れない関係です。
 肝にあるものを肝気、心にあるものを心気、脾にあるものを脾気、肺にあるものを肺気、腎にあるものを腎気といいます。胃にあるものは胃気といいます。
 そして後天の気が出てきたのだから先天の気もあるはずです。両親から受け継いだ気が腎に蓄積されています。これが先天の気です。子供のころは先天の気が充実していますが、歳を重ねるに連れて先天の気は減少していきます。お年寄りは腎気が不足しているものなので腎気丸をよく使いますが、こういった一般論からくるものでもあります。
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by kanpousinise | 2011-12-10 23:22

心臓病と漢方   

2011年 12月 03日

 最近は心筋梗塞や狭心症といった生活習慣からくる持病を抱えている方が多い。
 そんな持病を抱えた方から相談も多い。瘀血のため桂枝茯苓丸を服用しているがこれでよいかときかれました。もちろん期待できますが、冠心Ⅱ号方というお薬をお奨めします。このお薬は、郭士魁(1925-1981)という中医師の先生が開発しました。これは漢方薬の中でも新しい薬となります。ぜひ心臓の疾患で悩んでいる方はご傾聴ください。郭先生は、1971年、心血管部門を担当し、部門の仲間とともに発作時以外は冠心Ⅱ号方を用い、発作時は寛胸丸を用いて10年間に全国の医療機関で多くの臨床成績を上げてこられました。
 冠心Ⅱ号方の治療成績
1カ月から3カ月の治療では止痛率83%、心電図好転率25.8%
4カ月から1年の治療では止痛率85.8%、心電図好転率47.2%
 発作時使用の寛胸丸および同一処方の噴霧剤は1972年から2年間の統計で3分以内の止痛率41.57%でありこれは硝酸剤と効力差はなかったという結果を得たそうです。
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by kanpousinise | 2011-12-03 17:49

昭和日本漢方の大御所   

2011年 09月 01日

 昭和日本漢方の大御所といえば大塚敬節矢数道明ではないだろうか。御二方とも多くの書籍がある。御二人とも医師だ。
 大塚敬節は古方派といわれ「傷寒論」を基本とする。「傷寒論」とは西暦200年(?)に中国の張仲景(ちょうちゅうけい)が書いたとされる医学書だ。張仲景は親戚の4分の3(?)を傷寒という病で亡くす。悲しんだ張仲景はその治療法を記すのである。この傷寒という病は今でいうインフルエンザだったと言われている。その内容は患者がこんな症状だったらこの薬、症状がこう変化したらこの薬といったように刻刻と変化していく病状に合わせて記述している。
 話はそれたが、大塚敬節はこの「傷寒論」の漢方薬のほかにも広く漢方薬を使い多くの患者を治療した。古方派といわれるのは考え方や師事した先生からだろうか。医学界に賞賛され東京の北里大学には東洋医学総合研究所なるものがあるがそこの初代所長だった。その名は亡くなられた今も伝え残る。
 矢数道明は後世派といわれ中国の金元時代(西暦900-1300?)の医学書を基本とする。金元時代は「傷寒論」より時代が進み医学は発展している。医学書も数多くある。しかしながら、発展していても人間の体の生理ははっきりわからず理論を作る。例えば、今、宇宙の事がよくわからないから“ダークマター“を仮定しているようなものだ。物事を陰陽にわけたり五行説といって5つにわけたりした。(病気の寒・熱や陰病・陽病、臓器は肝・心・脾・肺・腎、漢方薬の味は酸っぱい・苦い・甘い・辛い・塩っ辛いなど)まずは分類学ということか。。。この考えはドンピシャなことが多いが矛盾もある。しかし、当時では最新の医学だったのだ。
 矢数道明は医学界に賞賛され幅広い漢方薬を使い難治性の患者を数多く治療した。亡くなられた今もなおファンは多く漢方界を牽引した功績ははかり知れない。また、矢数氏は雪剤についても調べている。加賀藩に伝わる「紫雪(しせつ)」だ。紫雪についてはまた今度。

         かつては我が家で製造していた「紫雪」
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by kanpousinise | 2011-09-01 10:56

水毒(すいどく)   

2011年 08月 29日

 水毒とは水の代謝・排泄の障害をいいます。この考え方は江戸時代中期に遡ります。
このとき日本の医家、吉益南涯(よしますなんがい)(1750-1813)は気血水論を提唱します。南涯はその中で「病人の病態は気血水の変動によって生じる」と考えました。気・血・水それぞれがバランスを保つことで健康な体として機能すると考えたのです。
 水は皮膚を滋潤して眼・鼻・口・舌を滋潤します。さらに血脈に入り骨へ流れて骨髄や脳を滋潤します。水は不足すると健康を害しますが、過剰になってもよくありません。過剰になった水は同じところにとどまると化熱しドロドロとした『痰(たん)』となり、体内に停滞し気血の巡りを悪くします。
 日本は島国です。海に囲まれたこの国は湿気が多く、余分な湿気を体にとどめやすい環境にあります。余分な水は浮腫・胸水・腹水・耳鳴り・頭痛・めまい・アレルギー性鼻炎・関節内の水腫など体調に変化を及ぼします。雨や湿度の高い日に調子が悪いと感じることもあります。
 漢方薬で体内に偏在する水を追い出し、水毒を治療しましょう。
<水毒治療の漢方薬>

生薬を500gずつ購入して煎じて作れば効果的かつ経済的です。

吉益南涯像↓
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by kanpousinise | 2011-08-29 15:02

漢方・生薬の貯蔵の仕方   

2011年 07月 25日

漢方・生薬の貯蔵の仕方
生薬はカビや虫の害を受けやすいので、保存時には防湿、防虫、遮光
、冷蔵に配慮しながら保存するといいでしょう。
冬は室外に保存すれば気温が低く、空気も乾燥しているので、
ほとんど害を受けませんが夏は湿度が高いため、カビや虫の害を受
けやすくなります。
少量の場合はブリキ缶やお茶缶、お茶箱に入れ乾燥剤や防カビ剤を
入れたほうがいいでしょう。
冷蔵庫に保管するのも一法です。
万一虫がついたときは、屋外で生薬を広げ、天日で数日じっくりと
乾燥すれば大丈夫です。
煎じ薬に利用するわけですから、煮沸するので虫の害なども心配
いりません。
1.虫害の受けやすい生薬
カワラタケ、紅花、桔梗、菊花、玄参、紫根、柿蔕、沙参、十薬、
蘇葉、当帰、センブリ
人参、ハトムギ、浜防風、白し、防風、蒲公英根
2.虫害・カビの発生しやすい生薬
大黄、木天寥、木瓜
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by kanpousinise | 2011-07-25 14:10

生薬(しょうやく)とは何でしょう   

2011年 07月 14日

生薬とは薬用になる天然の植物、動物、鉱物、菌核などを
燥したものです。しかし、一般的には漢方薬と言う人もいる。
厳密に分類すれば、漢方・生薬と言った方がいいでしょう。
民間薬とは漢方処方には配合されていないが民間伝承で昔から
或る疾患に効果があるからとして煎じたりして利用されてきたもの
を指している。
漢方・生薬の刻みとは3mm角位にきざんだもの、丸切りとは輪切り
に刻んだもの、
生(しょう)とあるのは生薬を原形または原形に近い形で乾燥した
もので生(なま)ではない。寸切とは3cmの長さに切ったものです。
砕きとあるのは細かく砕けたもの。玉(たま)とあるのは自然の球状
のもの。粉末とは漢方薬、生薬を粉にしたものです。
生薬
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by kanpousinise | 2011-07-14 18:48

生薬・孫太郎虫(まごたろうむし)はどうなったろうか   

2011年 03月 29日

孫太郎虫(まごたろうむし)は日本固有の代表的な民間薬である。
宮城県刈田郡斉川村産のものが有名で、この薬用昆虫は、小児の疳の薬
として広く販売されていた。孫太郎虫はヘビトンボ科に属するヘビトンボの
幼虫である。ヘビトンボ科の幼虫は80種余りが知られている。
幼虫は釣り餌にも利用される。ヘビトンボの幼虫は川底の砂石間に生息し、
トンボ、トビケラ、カゲロウなどの水性昆虫の若虫を捕食し、二~三年で
幼虫期を終え、水岸の石、材木の下で蛹化し、初夏に羽化する。
この斉川村には伝説があったといわれる。「永保(1081~3年)の頃
、斉川に住む桜戸という美しい女房がいて、かねがね父の
仇を討とうとしていた。その子、孫太郎は生来虚弱で疳が高く、
七歳の頃に大病で重態に陥る。桜戸は鎮守社である田村神社
にこもって祈願したところ、”斉川の小石の間の虫を食せしめよ”という
神託があった。
その通り孫太郎にこの虫を食べさせたところたちまち回復し、その後は
健康に成人し、首尾よく仇討ちを遂げたというのである。」
この虫を孫太郎虫と名ずけたという。
その後、仙台から江戸にかけて販売されるようになった。
孫太郎虫の採取は10~11月頃に行われる。孫太郎虫は泳げないので、
熊手のようなもので、網に追い込んで捕らえるのだという。
捕獲した孫太郎虫は、乾燥させ5匹づつ一本の串にさし、10串を一束
として、桐箱に入れて商品とする。
最近は清流が失われ殆ど捕獲されなくなった。しかも、今回に震災
である。孫太郎虫はどうなったかk、気にかかるところである。
ヘビトンボ科のヘビトンボの幼虫の乾燥体。幼虫の大きなものは6センチ
に達するものもある。
成虫は雄4センチ、雌5センチくらい。
砂糖醤油につけて焼いて食する。
強精効果があるという伝説もある。

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by kanpousinise | 2011-03-29 22:39